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フィーリングアーツと癒し

(以下、北村義博:芸術と医療:癒しのアート"フィーリングアーツ",日本保健医療行動科学会年報,16: 104-115, 2001 より引用)

北村は,フィーリングアーツの癒し効果について経験的に次のように述べています.
「私は感動こそ人の生命力を高めるものだと思っています.痛みや苦しみをもっている患者さんやその家族の人たちが,フィーリングアーツを体感することによって,感動とともに,ありのままの自分を知り,自分を受け入れることで心が安らぎ,そして生命力が高まり自然治癒力へとつながっていくのだと思います.癒しの原点は,あるがままの自分を受け入れて不協和なものを調和させることだと思います.
これは,私がアートで表現していきたいと思うものと重なっています.光があるから影があり空間がでてきます.美しい部分だけではなくて,影があり光があって調和があるのです.
フィーリングアーツに限らず,芸術は人を癒す力をもっていると思いますが,特にフィーリングアーツは作り手の強いメッセージやストーリーがなく,体感者のイマジネーションにゆだねる部分が大きいアートなので,多くの体感者が自分の心を作品に投影しやすいという面があると思います.」
 

(以下、北村義博,吉岡隆之:癒しと感性の芸術 フィーリングアーツ,『眼がとらえた情報がこころに与える影響』, ルネッサンス京都21 「五感シリーズ」 C, 45-81, オフィスエム, 長野, 2009 より引用)

つまり,フィーリングアーツとその場に存在する全ての人,ものが響き合い,調和的空間をつくりだし,体感者は「感動」などのプラス(快)のフィーリングを伴って自分なりのイメージを自由に描くことができ,自己受容,癒しへとつながるということです.
また,体感者のイマジネーションにゆだねるということも重要であると述べています.
 

フィーリングアーツとイメージ表現

(以下、吉村英利子:音と光と絵画による癒しの芸術"フィーリングアーツ"の主観的効果:性や鑑賞方法による感じ方の違いについて,神戸市看護大学看護研究演習抄録集(2002年度),155-156, 2003

和久明日香,北村義博,吉岡隆之,日野原重明:音と光と絵画の総合芸術"フィーリングアーツ"による癒しの効果に関する研究(第1報):阪神・淡路大震災後の被災者の感想の分析から,第17回日本保健医療行動科学会大会抄録集,p50, 2002 より引用)

フィーリングアーツの体感によるイメージの表現について,大学の授業,学術会議,イベントなどでフィーリングアーツを体感した1394名を対象とした一般調査では,感想シートに何らかのイメージを表現していたのは5割を上回っていました。
また,これらの公演のうち,対話を含む双方向的な公演の場合,イメージを表現していた人は7割を超えていました。
これらの結果から,多くの人にとってフィーリングアーツの体感は,自分なりのイメージを自由に表現する機会になり得ると考えられ,特に,フィーリングアーツを単に体感するだけではなく,イメージ表現を促す何らかのはたらきかけが重要であると考えられました。また,フィーリングアーツの体感によるイメージ表現の有無には性差や年齢差はありませんでした.
一方,阪神・淡路大震災の被災者199名を対象とした調査では,約9割の人が感想シートに何らかのイメージを表現しており,また,表1に示したようにイメージの表現内容も「自然」「神仏」「人」「動物」「過去の出来事」など様々でした.
これらの結果から,被災者など「痛みや苦しみ」を抱えている人ほど,感性が研ぎ澄まされているため,フィーリングアーツを体感することによって様々なイメージを表現しやすいと考えられました.


フィーリングアーツ体感によるイメージ表現内容とその割合

フィーリングアーツとフィーリング

(以下、吉村英利子:音と光と絵画による癒しの芸術"フィーリングアーツ"の主観的効果:性や鑑賞方法による感じ方の違いについて,神戸市看護大学看護研究演習抄録集(2002年度),155-156, 2003 より引用)

一般調査の結果から,フィーリングアーツの体感によるフィーリングについて,表2に示したように「非常に覚えた」と「まあまあ覚えた」を合わせると,約7割の人が「感動」を覚え,約8割の人が「安らぎ」を覚え,約5割の人が「希望」を覚えていました.
これらの結果から,多くの人にとってフィーリングアーツの体感は,プラス(快)のフィーリングを伴う体験になり得ると考えられました.また,フィーリングアーツの体感によって各々のフィーリングを覚える割合には性差や年齢差はありませんでした.


フィーリングアーツ体感によるフィーリングを覚えた割合

フィーリングアーツとナラティヴ

(以下、楡木満生:ナラティヴ・セラピーの理論と実際,日本保健医療行動科学会年報,20: 47-56, 2005 より引用)

楡木は,ナラティヴ・セラピーについて,「クライエントが悩んで治療者のところに来るのは,その個人を囲む社会的な脈略の中で何らかの問題行動を起こす人生物語(narrative)を描いており,その葛藤で苦しむためである.だからその問題を起こしている古い筋書き(story)を別の新しい筋書きに書き換えを行おうというのが,ナラティヴ・セラピーの概略である.」と述べ,その手順として「@クライエントが苦しんでいる人生物語を聴く」「A問題の外在化をはかる」「B別の物語に書き換える」を挙げています.
ここで,その個人の人生物語は行動を解釈した結果であり,問題を外在化して,別の物語に書き換えるということは,その行動の解釈をし直すということです.
フィーリングアーツの体感によるイメージの表現は「問題の外在化」へ導き,その調和的解釈は「物語の書き換え」につながると思われます.
ナラティヴ・セラピーにおいて,最も困難で不可思議なところは「問題の外在化」から「物語の書き換え」のプロセスであると考えられますが,ここでは,芸術のもつ「感動」を促す力こそが最大の利点になり得るのです.「感動」ではなくても「プラス(快)のフィーリング」が「物語の書き換え」に有効にはたらくと思われます.

(以下、北村義博,吉岡隆之:保健と医療の語りとアート: フィーリングアーツとナラティヴ,日本保健医療行動科学会年報,22: 77-91, 2007 より引用)

先ほどの調査結果から,フィーリングアーツの体感は,多くの人にとって,「感動」「安らぎ」などのプラス(快)のフィーリングを伴って,自分なりのイメージを自由に表現する機会になり得ると述べましたが,フィーリングアーツの体感は,自由なイメージの表現による「問題の外在化」と「プラス(快)のフィーリング」による「物語の書き換え」の促進につながり,ナラティヴ・セラピーという観点からも有効であると考えられます.
特にフィーリングアーツの場合は,体感者のイマジネーションにゆだねる(外的強制が弱い)状況と調和的空間が「問題の外在化」と「物語の書き換え」により有効にはたらくと思われます.

フィーリングアーツによる感動と調和

(以下、北村義博,吉岡隆之:保健と医療の語りとアート: フィーリングアーツとナラティヴ,日本保健医療行動科学会年報,22: 77-91, 2007 より引用)

大きく分けるとフィーリングアーツによる「感動」には2種類あります.すなわち,音楽や光の美しさなどによって得られる「受動的な感動」と,イメージを表現することによって得られる「能動的な感動」です.
そして,被災者や医療,福祉施設の患者,利用者など「痛みや苦しみ」などを抱えている人ほど感性が研ぎ澄まされているため,イメージを表現しやすく「能動的な感動」が得やすいのでしょう.さらに,フィーリングアーツとその場に存在する全ての人,ものが響き合い,おりなす調和的空間と外的強制の弱い状況の中,イメージが体感者自身の心に浮かんできて,なぜそのイメージが現れたのかについて解釈が促され,体感者の内にある不協和なものが調和しやすいと思われます.
また,先に述べたように,イメージの表現を促すためには,フィーリングアーツを単に体感するだけではなく,何らかのはたらきかけが重要であると考えられます.

(以下、北村義博:芸術と医療:癒しのアート"フィーリングアーツ",日本保健医療行動科学会年報,16: 104-115, 2001 より引用)

この点について吉岡は「芸術としてのフィーリングアーツ自体から発せられる問いかけだけではなく,北村(演者)の,何ものも否定しない,言葉による最小限の問いかけが,その人なりの心の解釈を促し,自らの心を自ら表現することを促している」と経験的に述べています.

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